活動エリアは、平安時代中期より貴族の別業(別荘地)が営まれた地区にはじまり、鎌倉・室町以降は茶業の中心地として発展してきた歴史的経緯から、コンパクトな地理的広がりの中で2つの世界遺産をはじめとする多数の歴史的文化財や重要文化的景観、宇治茶に関わる生業と生活文化、その背景をなす豊かな自然環境に恵まれ、国の内外を問わず数多くの来訪者を受け入れる有数の観光地としてのポテンシャルが極めて高い。一方、近年における定住人口の減少と少子高齢化、空き地・空き家の増加によるコミュニティの活力低下が顕著となりつつある。即ち、ツーリズムがもたらす賑わいの発生ならびにそれをとりこむための観光振興事業と市民の日常的な暮らしの環境保全・整備の間にアンバランスが生じていることがまちづくりの主要な課題である。
インバウンドツーリストの急激な増加がみられるようになった2010年代の初期から、上記の課題に対する地元有志(NPO法人ならびに個人事業者)と自治体のとりくみがなされており、そこに大学(京都文教大学)の関わりがみられた。2014年に宇治観光まちづくり株式会社が設立され、空き家・空き地の再生と利活用による様々な小規模商業施設の誘致と営業が軌道にのりはじめたことを機に、これらの個別具体的な活動を組織的に推進するためのエリアプラットフォームの構築とその活動拠点整備の可能性が模索されていた。
1. まちづくり将来ビジョンのバージョンアップと実現スキームの提案
活動エリアのまちづくり将来ヴィジョンを継続的にバージョンアップするとともに、実現にむけたスキームを提案する。
2. 空間デザインマネジメント
活動エリア内で実施される公共事業ならびに観光振興事業についてデザイン的な側面からのレビューならびにアドバイスを行う。
3. 空き家・空き地利活用再生事業のコンサルティング
活動エリアおよびその周辺において発生する空き家・空き地の利活用再生事業を推進するための企画提案、施設設計、テナント誘致等のコンサルティング業務を行う。
4. 教育普及活動
活動母体となる大学の地域連携教育に関わる機会の提供ならびに市民向けのまちづくり実践講座等を実施する。
1. ツーリズムと居住環境の保全整備のバランスを実現するための具体的事業の展開
2. 都市再生推進法人としての積極的なまちづくり事業の提案とコーディネート
3. ポストコロナ社会の地方都市におけるライフスタイルと居住環境のありかたに関するモデル事業の展開
「公」:宇治市(政策戦略課、市民協働推進課)、公益社団法人 宇治市観光協会
「民」:宇治観光まちづくり(株)、NPO法人まちづくりネット・うじ、宇治商工会議所、地元金融機関
「学」:京都文教大学、奈良女子大学、東京大学、慶應大学SFC、龍谷大学
代表:森 正美(京都文教大学)
理事:宮城 宏索(宇治観光まちづくり㈱)、宮城 俊作(設計組織PLACEMEDIA)
監事:多田 重光(公益社団法人 宇治市観光協会)
常駐スタッフ:1名(宇治観光まちづくり㈱)
非常勤スタッフ:2名(NPO法人まちづくりネット・うじ、公益社団法人 宇治市観光協会)
廃業した酒店の店舗ならびに倉庫を宇治観光まちづくり株式会社が賃貸のうえ 、民都機構のマネジメント型まちづくりファンドを活用してリノベーション。
延床面積約120㎡。
会議や打合せを行うワークショップスペース、オフィス、コワーキングスペース、シェアキッチン、小商いインキュベーションスペース(主として飲食)などを併設。
〒611-0021
京都府宇治市宇治妙楽21-1
TEL:080-9605-1053
宇治観光まちづくり㈱ 宮城 宏索