田村市は、阿武隈高原の中央に位置し、2005年3月1日に田村郡7町村の内、滝根町、大越町、都路村、常葉町、船引町の旧5町村が合併し形成。福島県の中核的都市である郡山市まで約30kmの位置にあり、福島県の中通りにあって浜通りとの結節点となる地域。阿武隈高原の変化に富む地形に抱かれ、コンパクトな都市形態を構成。農林業が維持されている一方、中心市街地の空洞化が急速に進んでいる。2011年3月の東日本大震災後、市東部の都路町の一部に避難指示が出されたが2014年4月に全面的に解除された。震災と原発事故による避難指示を経た地域の復興、および少子化高齢化の進む中での地方小都市のコンパクトなまちづくりに取り組み、いくつかの施設や活動を生み出したが、2021年3月をもって活動を終了した。
田村市と東京大学(北沢猛 教授(故人)+空間計画研究室)の共同研究により地域密着型 のシンクタンク機能の設置が提案され、翌年、公・民・学が連携する地方小都市型のアーバンデザインセンターとして設立された。
1. 各町での住民主体のまちづくり支援
旧5町村(滝根・大越・都路・常葉・船引)の地域単位で住民と共同で、まちづくりの方針をつくり、次年度にそれに基づいた社会実験を実施、次々年度以降地元主体の取り組みとして継承。
2. 都路復興まちづくりの支援
原発事故による避難指示が出された都路町において、持続的で創造的な暮らしを実現することを目的に「住生活基本構想協議会」を住民・学識者・市職員で設置。市長への提言を行い、構想に基づいた実践を支援している。
3. 鉄道駅を中心としたコンパクトなまちづくりの支援
市内にある6駅についてそれぞれに駅を中心とした、歩いて暮らせるまちづくりを検討。神俣駅をモデル地区として住民とのワークショップを通して、方針・取り組みを提案。
4. (仮称)田村中央スマートインターチェンジを活かしたまちづくりの支援
H31.3に開設が予定されている磐越自動車道のSICの開設に関して、出入口正面の小学校跡地等を活用した交流拠点づくりについて、住民・学識者・市職員等による協議会を設置、「大越 交流拠点化構想」を作成。構想に基づくプロジェクト実施の支援。
5. 廃校等の空き公共施設の活用
市内には現在13の廃校となった小・中学校があり、それぞれの現況や活用可能性に関する調査を行い、具体的な活用方法について提案を行っている。
1. これまでに旧町村を一巡し、住民主体の取り組みに継承されつつある住民協働のまちづくり活動に対する、必要に応じた支援(自立支援)の継続。
2. 地域(市・住民)が中心となったUDC機能の継続。
※UDCTとしての活動は2021年3月をもって終了した
「公」:田村市
「民」:田村市行政区長連合会
「学」:東京大学
※解散前時点
運営委員長:出口 敦(東京大学教授)※センター長を兼務
運営委員:鈴木 喜治(田村市副市長)
区長会長:5名 ※田村市行政区長連合会の各町の代表者
運営委員会により運営の基本方針を決議。
※解散前時点
常勤スタッフ:2名(都市建築担当・事務担当 各1名)
非常勤スタッフ:3名(市建設課1名、都市建築担当2名)
このほか、市庁内に部課を横断する市まちづくりプロジェクトチー ムを設置。
協働まちづくり課・都市計画課・企画課・商工観光課・各町の行政局職員で構成。
※解散前時点
船引駅前商店街の中心に位置する空き店舗を活用して設置。個人所有の店舗賃貸。
2階建て約100㎡。事務スペース、打ち合わせ・ 展示・イベント等に使うスペース、倉庫・キッチン・トイレ。
※解散前時点