アイランドシティは福岡市の博多湾内東に位置する島形式の埋立て地であり、港湾事業として1994年に着工し、総面積401.3ha、計画居住人口18,000人、計画就業人口18,000人、2020年代後半の事業完了を目指している。
UDCICの活動は、アイランドシティの東側191.8haのまちづくりエリアを対象としている。西側は臨港地域である。福岡市の東の活力創造拠点として、また21世紀の先進的モデル都市として、新しい「みなとづくり・まちづくり」の推進を目的にアイランドシティ事業を進めており、まちづくりエリアでは、住宅を主体とする都市開発と高次医療・福祉・スポーツ系の施設の集積が進んでいる。2024年3月時点で約5,418世帯、約15,180人が居住する。まちづくりエリアにおいては、港湾事業としての土地分譲が完了し、徐々にではあるが駐車場不足等の課題が顕在化している。
2007年リーマンショックによる経済不況の影響を受け、港湾事業計画に基づく土地分譲が一時的に頓挫し、まちづくり活動による地域ブランド化、ボトムアップ型のまちづくりなど新たな施策が求められていた。そうした背景のもと、2011年にアイランドシティ・未来フォーラム(委員長:出口敦 東京大学教授)がまとめた提言書の中で、「公・民・学」が連携したまちづくり拠点の設置が提案され、それをきっかけに翌2012年にUDCICが設置された。
まちづくり活動の実施・支援
・様々な団体等が主体的に行う「多様性」を進める事業
1. まちの学校:
個々のスキルを活かし「交流の場」を創造する活動
2. コトノハ運営委員会:
図書活動を通したコミュニティ・文化活動
3. 子ども会など:
様々な交流イベントを通したコミュニティ活動
まちのデザインの研究
・持続可能なまちづくりの仕組みを構築する研究
・プレイスメイキングによる公共的空間の魅力化と文化創造の研究
・街の成長にあわせたスマートモビリティの構築とマネジメントの研究
・ICでの景観マネジメントの研究
大学・企業による調査・研究等の実施・誘致
・実証実験の企画・実践
・教育プログラムにおける調査・提案
連携・交流の場の創出
・センター施設:多様なコミュニティ活動や質の高いライフスタイルに資する活動の場を提供
・公園・緑地や未利用地、公開空地など公共的空間:交流機能の増進
情報発信・プロモーション
・様々な開発情報やまちづくり情報をWEBや自主媒体、パブリシティ活動などにより積極的に発信
・まちの価値を向上させるための戦略的なプロモーション活動
自立的な運営に向けた検討・取り組み
・将来、まちのマネジメント組織となり得るような体制づくり
・市税に頼らない新たな財源確保と収益を生む事業の構築
展望
・港湾空港局の主要施策として進められ、一定程度、都市整備・都市活動が到達した中、また民間開発が活況を呈している現在、アイランドシティのまちづくりやアーバンデザインは転換点に立っている
課題
・きめ細かなエリアマネジメント業務とアーバンデザインや交通施策など高度な専門性を要する業務とを両立させた運営
・自主財源の確保、自立した事業体としての運営体制の確立
「公」:福岡市
「民」:照葉 校区自治協議会、アイランドシティ立地企業等連絡協議会、博多港開発㈱
「学」:九州産業大学、九州大学、福岡工業大学、福岡女子大学
センター長:坂井 猛 (九州大学大学院教授)
副センター長: 村上 洋子(福岡市港湾空港局アイランドシティ事業部長)
専任スタッフ:1名
(2024年10月時点)
常設施設はなく、状況に応じて民間施設等を使用している。
福岡市港湾空港局 港湾空港局 事業管理課
TEL:092-282-7043