福井県嶺北 地方に位置する坂井市は2006年に三国町・坂井町・春江町・丸岡町の4町が合併して誕生した。市西端に位置する三国町は、北前船 の寄港地として繁栄した歴史的な町並みが現存する旧市街地・三國湊 を中心とし、丘陵地と海岸部からなる。名勝・東尋坊などを抱えることから観光地として知られ、毎年多くの来訪者が訪れる一方で、市内でも人口減少と高齢化が顕著であり、空き家・空き地への対応や歴史的な町並みの保全が課題となっている。UDCSは、この三國湊エリアを戦略地区として位置づけ、三国湊の歴史・文化を活かした空き家・空き地問題の創造的解決を目的としている。
2016年3月に東京大学都市デザイン研究室の三国プロジェクトチームが三国の今後のまちづくりに関する調査報告書「三国まちづくりビジョン」を取りまとめた。その調査報告書の中でアーバンデザインセンター(UDC)の必要性について言及されたことをきっかけとし、2016年度末よりUDCS設立準備委員会で検討が開始される。2018年3月にセンター施設が竣工、2018年4月にオープンした。2018年5月には任意団体「坂井市アーバンデザインセンター」が設立され、同9月に「一般社団法人人アーバンデザインセンター坂井」設立。
1. まちづくりに関する情報の集約と発信
・まちづくりに関する各種情報の収集と集約、共有
・各種主体のエンゲージメントとコラボレーションの促進
・情報発信によるエリアのプロモーション
2. 実証実験・事業創出
・小規模な実証実験の場の提供によるビジネス創出機会の提供
・エリアをリードする事業者の育成
3. 次世代のまちづくりの担い手の育成
・高校や大学の教育プログラムとの連携による調査・研究の促進
・三国に関する学習機会の創出を通した、次世代のまちづくりを担う人材の育成
4. 歴史的資源の再生によるエリアの活性化
・エリア内の空き家の情報集約・マッチングの支援・活用企画提案
・伝統的な町並みに調和した空間デザインの提案や誘導・助言
1. 地域内資産の自律的経営と展開
2. 多主体との連携による歴史的資源(町家ほか)の再生とノウハウの蓄積
3. 三国町での実践成果の検証と方法論の体系化、坂井市内の他地域(旧3町)への応用展開
4. シンクタンクとしての役割の強化
「公」:坂井市、坂井市商工会、みくに地区まちづくり協議会、三国祭保存振興会、(一社)DMOさかい観光局
「民」:地元住民、区長会、リコージャパン㈱、㈱福井銀行、福井信用金庫、㈱福邦銀行、えちぜん鉄道㈱、京福バス㈱、㈱PTP、(一社)三國會所
「学」:東京大学、東京都市大学、横浜国立大学、福井大学、福井工業大学
センター長:西村 幸夫(國學院大學教授)
副センター長:野嶋 慎二(福井大学教授)/ 江川 誠ー(福井大学講師)/ 中島 伸(東京都市大学准教授) / 矢吹 剣一(横浜国立大学准教授) / 三寺 潤(福井工業大学教授)
常駐スタッフ:1名(土木工学1名)
非常勤スタッフ:5名(交代制で勤務)
築130年以上のかぐら建て※と呼ばれる町家を改修した施設で、坂井市の公の施設となっている。(一社)アーバンデザインセンター坂井が指定管理者として管理し、一般利用に供している。和室(3室)、会議室、事務室で構成されており、前庭も利用可能。
延べ床面積:約177㎡。
また、裏蔵「くららぼん」を改修し、コミュニティキッチンとして整備。地域内外の利用者に貸出している。
※かぐら建て:平入りと妻入りの建築物を組み合わせた三国に多く現存する当該地域の伝統的な建築様式の建築物。
〒913-0045
福井県坂井市三国町南本町3-6-51
TEL:0776-50-3300