阪神・淡路大震災から29年が経過し、震災の教訓をしっかりと継承しながら、あたらしい神戸を創出することが必要となってきている。医療産業都市、デザイン都市・神戸、食都神戸などをはじめとする様々な取り組みはあるが、市民、企業、地方自治体を含んだ都市生活をデザインするという視点が十分ではあるとはいえない。またその効果を定量的に把握しながら計画・運用をおこなうエビデンス・ベースの都市生活デザイン手法の確立が必要となる。
従来の都市・市民工学だけではなく、システム情報学を基礎学理とするシステムズ・アプローチを用いて神戸市の都市生活をデザインすることを目指す。超高速計算、ネットワーク・クラウド、IoTなどの技術基盤と、それらに立脚する人工知能やサイバー・フィジカルシステムなどの手法を用いることで、空間としての都市そのもの(ハード)と、日々都市で生活する人々(ソフト)の間の時間的・空間的相互作用を陽に考慮し、相互作用の媒介となるべきシステム情報により、ソフト・ハード,サイバー・フィジカル両面を含んだ都市生活デザインの新しい方法論が構築可能であると着想を得て、UDC078を設立するに至った。
1. 都市生活デザインモデル構築
都市生活をデザインするためのシステムズ・アプローチによるモデル構築を目指す。
2. 都市生態学
078KOBEといったイベントの企画・運営を通じた、エビデンス・ベースのイベント、都市デザイン、エリアマネジメントの方法論の構築を目指す。
3. 地域プロジェクトデザイン
オープンイノベーションに着目し、アイデアソン・ハッカソンなどのワークショップを通じて、市民参加型の都市生活デザイン手法構築を目指す。創出したアイデアを078KOBEといったイベントにおける展示・実証実験等への継続的サポート、リビングラボ的機能も請け負う。
4. 普及・ネットワーキング
UDC078の普及事業の企画運営を行う。会員だけでなく、関係者を巻き込んでネットワーク拡大に努める。
5. 自律運転社会システム・コンソーシアム
陸・海・空すべての移動手段を対象とした、自律運転社会システム・コンソーシアムを設立。自動運転だけでなく、他の車両・人との協調を目的とする。個人の目的(移動欲求、移動中の時間の過ごし方など)だけでなく、社会全体の目的(移動効率向上、環境問題など)を実現する仕組みづくりを目指し、自律運転システムを通じて、次世代まちづくりを検討。
市民参加型のまちづくり・ビヨンドスマートシティの実現へ。
・地域プロジェクトデザイン:課題解決だけではなく、未来価値を創造するため、バックキャスティングといった手法を用い、アイデアの種の創出から育成、実装していくための実証実験、サポート、および共同企画立案といった伴走型のサポートを行う。
・都市生態学:人流解析とその情報を用いた都市デザインに関する検討への参画。
・普及・ネットワーキング:上記活動を通じて会員数の増大をはかる。
・その他:都市の歴史と今後の発展、都市と記憶、防災、都市と農村、山と海、生態系、食、データ・サイエンス、フェムテック、ウェルビーイング、教育などをテーマにプロジェクトを展開予定。
「公」:神戸市役所(予定)
「民」:㈱神戸デジタル・ラボ、㈱デンソーテン、㈱日建設計、兵庫ベンダ工業㈱
「学」:神戸大学、神戸電子専門学校
理事会
センター長:藤井 信忠(神戸大学)
副センター長:小代 薫 (神戸大学 ・小代薫建築研究室) / 信時 正人(㈱エックス都市研究所 ・UDCイニシアチブ理事)
理事:玉置 久 (神戸大学)/ 槻橋 修 (神戸大学 ・ティーハウス建築設計事務所) / 長廣 剛 (神戸大学)/ 永吉 一郎(㈱神戸デジタル・ラボ)/ 福岡 壯治 (神戸電子専門学校)/ 本丸 勝也 (兵庫ベンダ工業㈱)/ 松村 淳(神戸学院大学)
監事:田中 真一(㈱デンソーテン) / 眞野 方仁 ( ㈱フィールドコム)
オブザーバ:藤岡 健(神戸市役所)
顧問:西村 幸夫(國學院大学)
運営委員会
委員長:信時 正人(㈱エックス都市研究所 ・UDCイニシアチブ理事)
副委員長:藤井 信忠(神戸大学)
運営委員:眞野 方仁 ( ㈱フィールドコム) / 本丸 勝也 (兵庫ベンダ工業㈱) / 小代 薫 (神戸大学 ・小代薫建築研究室) / 秋澤 晴香(合同会社サスティナブル・デザイン都市戦略研究所) / 渡邉 るりこ(早稲田大学) / 片野 絢子(神戸大学)
事務局1名(神戸大学)
運営委員会を1回/月程度開催し、運営意思決定・サポートを行う。
神戸大学工学部本館 産学連携室3W-202を活動拠点とし、サテライトとして、三宮駅前のミント神戸14Fにある共奏スペース「KOBE文教区」を活用する。